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<どうする相続> 「高齢・独居」に後見制度検討を

こんな記事を見つけました。

相続トラブルの一例です。

お手すきの際にご覧になってみてください。

参照元:中日新聞 WEB

https://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2019032102000007.html


独身だったり、配偶者と死別したりして、高齢の「おひとりさま」が増えている。元気なうちはいいが、年を重ねるにつれ「病気になったら」「亡くなった後は」と不安が募ってくるもの。本紙生活部に寄せられた手紙を基に、どんな準備をしておけばいいか探った。

 「許せない」-。愛知県内の七十代女性は手紙で、知人の義弟に対する憤りを吐露した。女性は、夫名義の古いアパートを管理している。唯一となった入居者の女性(95)とは五十年以上のつきあいで、親戚同然だった。

 昨春、入居者女性は脳疾患のため部屋で倒れ、女性が救急車を呼び、入院中も世話をした。しかし、意識障害が残り、時々幻覚を見ることも。入居者の身内はほぼ他界していたが、妹の夫で八十代の義弟が健在で、入院中に合鍵でアパートの部屋に入り、銀行通帳などを持ち出してしまった。

 義弟は数百万円あった入居者女性の定期預金を解約し、退院やアパートの退去手続きを進め、入居者を高齢者住宅に移した。さらに、業者に「まだ現金が数百万円あるはずだから探せ」と、アパートに残っていた荷物の処分を依頼。女性は、病院に残っていたパンフレットを手がかりに転居先を訪ねたが、スタッフに「契約者か、契約者が許可した人しか面会できない」と追い返された。

 女性は、成年後見制度=図参照=を利用するしかないと考えた。しかし、家庭裁判所に後見開始を申し立てられるのは、本人か四親等内の親族。義弟に後見人を立てるよう言ったが、「考えとくわ」のひと言で終わり。部屋にあった入居者のアドレス帳から別の親戚を探し当て、昨年末、後見開始を申し立て、家裁の判断を待っている。「貧しい中、苦労してコツコツためたお金。最後ぐらいはちゃんとしてあげたい」

◆信頼できる人と事前契約

 全国の司法書士でつくる「成年後見センター・リーガルサポート」の松井秀樹さん(東京)は「義弟を告訴することも可能」と指摘する。刑法は配偶者、直系血族、同居の親族間で盗みを働いた場合は刑を免除するとしているが、義弟はその範囲外。ただし、本人や法定代理人の告訴が必要だ。

 一方、後見開始の申し立ては、身寄りがなかったり後見の必要があるのに親族が申し立てなかったりする場合は、居住地の市区町村長もできる。役所に相談し、申し立ててもらう。家裁で成年後見人が選任されれば、義弟を民事訴訟で訴え、被害回復を求めることも可能という。

 ただ、松井さんは「こうしたトラブルを避けるには、元気なうちに信頼できる人と任意後見契約を結んでおくのが最善」と呼び掛ける。

 事前に判断能力が低下したときの支援内容や報酬を決めておく制度で、入退院や施設入所の手続きや財産管理などを任せられる。弁護士や司法書士、親族でなくてもなれる。

 自分の死後、財産がどうなるかも気になるところだ。相続人がいないことが確定すると、遺産は基本的に国庫に入る。遺産をだれかに与えたい場合は、遺言書を作成しておく。

 それ以外にも、過剰な延命治療を望まない「尊厳死宣言公正証書」、終末期医療の希望について記す「事前指示書」を作っておくと安心だ。死後、葬儀などの手続きを第三者に委ねる「死後事務委任契約」もある。

 (砂本紅年)

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