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思い伝える最後のメッセージ 夫婦で考える終活「遺言の書き方」

こんな記事を見つけました。

夫婦で「終活」を考える際のお話です。

お時間のある際にご覧になってみてください。

参照元:【終活の経済学】思い伝える最後のメッセージ 夫婦で考える終活「遺言の書き方」- SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

https://www.sankeibiz.jp/econome/news/190729/ecc1907290500004-n1.htm


終活は一人でできることも多いが、やはり家族で話し合うことが肝心だ。とくに夫婦の間で意見が違っては安心のエンディングは迎えられない。葬儀やお墓について考えることは決して不吉なことではない。必ず訪れる「その時」に向けて、準備をためらってはいけない。

相続争い防止に

夫婦で終活を考える際に、まずやっておきたいのが「遺言」だ。もちろん遺産分割の方法を示すことで、相続争いを防ぐ意義は大きい。しかし相続専門の司法書士、青木郷さんは「遺言書は大切な家族に伝える最後のメッセージと考えてほしい」と強調する。

「司法書士として相続の手伝いをしている実感からすると、遺言書がないためにもめるケースが多く、もっと遺言を書く人が増えてもいいのではないかと思う」と青木さんは話す。

公証人連合会によると公正証書遺言については2008年時点で7万6436件だったのが、17年現在では11万191件と、確かに年々増加している。自筆証書遺言に関しては統計がないが、1年間で亡くなる約130万人のうち何らかの遺言を書きのこしている人は2~3割程度とみられる。

「遺言を書かなければならないほど財産はない」という人がいる。しかし青木さんは「これは大きな間違い」だという。司法統計によると16年度に家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件は75%が5000万円以下のトラブルなのだ。「もめるのは、分割しにくい不動産が遺産の大半を占めている場合で、司法統計もそれを反映しています」。自宅などの不動産をどう次世代に遺していくか。それを遺言で明らかにしておく必要があるだろう。

青木さんは「遺言書は、いかに遺産を分割するか、も大切だが、どんな思いをもって財産を分割するのかを伝えることに意義がある」と訴える。その意味でビデオレターの効用についても強調する。

ビデオレターの効用

もちろん遺言書は紙に書くことが必要で、ビデオレターには法的に遺言としての効力はない。しかし「本人による映像と語り言葉で、より明確に思いを伝えることで、相続人たちが『なるほど』と納得できることに意味がある。相続人には、それぞれ言いたいことがあるが、それを一つにまとめられるのは、亡くなったご本人しかいない」

しかもビデオレターは、遺言書を読んだ相続人から「(認知症などのために)故人がこんな遺言書を書けたはずがない」というクレームを未然に防ぐ効果が期待できる。

いずれにしても、遺言書などを通じて、自分の思いを伝えることは重要だ。大切な家族の間で争いが起きないようにするにはどうしたらよいか、夫婦でじっくり相談したい。

自筆証書遺言は意外に簡単 トラブル避けるポイントは

自筆証書遺言は「誰に、どの財産を相続させるか」が明記されていればよいので、意外に簡単に書ける上、書き直すことも容易だ。今年1月13日から財産目録は、不動産の登記簿や銀行通帳の写しに署名・捺印するだけでよくなり、利便性が向上した。

半面、遺言書を紛失したり、遺言書の存在が自分に不利になると考える関係者によって隠匿・処分されたりする可能性も否定できない。また自筆証書遺言は、書式などに不備があって無効とされる、もしくはスムーズに手続きができなくなるというリスクをはらんでいる。そこで相続がおきた際に困らない遺言書を書くためのポイントを次に紹介する。

[財産や相続人の明示]

たとえば「自宅は妻に相続させる。預金は長男に相続させる」という財産が特定できない記載は極力避けるべきだ。不動産は所在地番家屋番号を明記。預金の場合は少なくとも銀行名を明記した方がいい。また妻や長男は「妻淳子」「長男明彦」のようにできる限り特定するようにした方がよい。

自筆証書遺言はその名の通り、自筆である必要がある。財産目録の部分を除き、パソコンやワープロで書いたものは無効。用紙は便箋などが一般的だが、紙であれば何でもよい。筆記用具はペンやボールペンがおすすめだ。

[日付の明記]

自筆証書遺言で注意を要するのが日付。必ず「◯年◯月◯日」と日付まできちんと明記する。「◯年◯月吉日」や「春の佳き日に」などは無効。もし死後に自筆証書遺言が複数見つかった場合は、日付が新しいものが優先される。

[署名・捺印]

末尾に遺言者の署名と捺印は絶対に忘れてはならない。印鑑は必ずしも実印でなくともよい。なお、遺言書は1人で書くものなので、2人以上の遺言とみられる場合などは無効だ。(『終活読本ソナエ』2019年春号から、随時掲載)

【公正証書遺言】

自筆証書遺言は、遺言書の不備で法的に無効になったり、紛失や隠匿などのリスクを抱えている。そこで、公証役場で公証人に遺言の趣旨を説明し、2人の証人の立ち会いのもと、公証人に遺言書を作成してもらうことができる。事前に法的なチェックが行われるので無効になる心配がなく、また遺言書は公証役場で預かってもらえるので、紛失や隠匿のリスクを回避することもできる。

ただし、遺産の額によって手数料がかかり、遺言書の内容が2人の証人に知られる。それでよければ最も確実な遺言書となる。

【秘密証書遺言】

秘密証書遺言は、遺言に封をして、2人の証人の立ち会いのもと、公証役場に遺言の存在のみ証明してもらえる遺言書。内容が知られないメリットがあるが、遺言の内容・形式について公証人がタッチしない以上、遺言書の不備で無効になるリスクは残る。秘密証書遺言で法的な不備を避けるためには、司法書士ら専門家の協力を得て遺言書を作成し、封をしたうえで公証役場に持ち込むのが安心だ。

秘密証書遺言が主に使われるのは、財産分与のあり方を秘匿しておきたい場合のほか、自分の死後に家族に伝えたいことがある場合など。例えば、再婚相手の連れ子を自分の子供として育てたが、養子にしていなかったため、そのことを明らかにし、実子と同様に相続をさせるような場合に有効だ。

なお2020年7月には「遺言書保管法」という新しい法律が施行され、自筆証書遺言を法務局で預かる制度がスタートするので、そちらの制度の活用を検討してみてもいい。

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