あじさいと雅楽を堪能! 供養祭でのミニコンサート
合同供養祭とあじさい祭り
金泉寺の合同供養祭に招かれて、雅楽を演奏しました。法要に参加された方だけでなく、満開のあじさいを見にいらした方々にも、演奏をお楽しみいただきました。
2018年6月17日、合同供養祭にて雅楽を演奏いたしました。会場となったのは埼玉県比企郡の金泉寺(きんせんじ)さんの本堂です。
この日は合同供養祭ということで、お寺には大勢の方が集まっていらっしゃいました。
約6,000株のあじさいに囲まれて
この日、金泉寺ではあじさい祭りが開催されており、約6,000株ものあじさいが満開に咲き誇っていました。演奏会場には100名を超えるお客様が集まりました。
金泉寺さんはあじさいで有名なお寺で、満開のこの季節は、あじさい祭りが開催されています。この日はちょうど前日にテレビで紹介されたこともあり、境内は大変賑わっていました。
青、紫、ピンク、白……色とりどりのあじさいは、住職さんが少しずつ植えてこられたそうです。5,800株のあじさいが咲き誇る風景は圧巻! ゆったりと歩きながら、一つ一つ丁寧にあじさいを愛でる皆さんの姿が印象的でした。
お寺の周りには屋台が立ち並び、焼き鳥や焼きそばのおいしそうな香りが漂うお昼時、演奏会場の本堂には、100名を超えるお客様が集まりました。老若男女問わず皆さん、普段なかなか触れることのない伝統文化に、興味津津でおいでになったようでした。
古典曲と童謡に心癒される
雅楽を代表する「越殿楽(えてんらく)」を始め「浜辺の歌」や「ふるさと」など、親しみのある童謡も演奏。目をつぶりリラックスして耳を傾ける方や、童謡の歌詞を口ずさむ方など、皆さん思い思いに音色を楽しまれていました。
演奏前のご挨拶では、まず皆さんの雅楽に対するイメージをお尋ねしてみました。
「教会、お寺、神社。この3つの中で、雅楽と結びつきが深いのはどこだと思いますか?」
この質問には多くの方が神社に手をあげました。
「実は雅楽の原型になるものは、仏教とともに大陸より伝わってきたのです。もともと仏教の法要では、雅楽が演奏されていたのです」
…とお伝えすると、会場からは「そうなんだ」 「知らなかった」と驚きの声が漏れました。
アルファ波でリラックス
古典曲のゆったりとしたテンポと、雅楽独特のゆらぎの音色がリラックス感を誘います。「雅楽は脳のアルファ波を引き出す効果があるので、眠くなる場合がありますから、眠ってしまっても大丈夫です」という説明に、笑いがもれたひと幕も。
いよいよ演奏が始まります。まずは、雅楽で最も有名な曲である「越殿楽(えてんらく)」から。篳篥(ひちりき)と龍笛(りゅうてき)、 笙(しょう)の3つの楽器が織りなす音色に、目をつぶりじっくりと耳を傾ける方が多く見られました。
越殿楽が終わると、会場からは盛大な拍手が起こりました。演奏する楽人が3人とも若い女性であることに、驚かれた方も多かったようです。
また、それぞれの楽器の紹介もいたしました。雅楽器を初めて間近に見た方も多く、大変興味を持って耳を傾けてくださいました。
なじみ深い童謡の演奏には、一緒に歌ってくださる方や、リズムに合わせて身体を揺らしている方など、それぞれに楽しんでくださっている事が伝わりました。
演奏終了後、「法要だからお経や法話も大切だ けど、雅楽の澄んだ音色が添えられたことで、 何となく供養が深まった気がしましたよ」とのご感想もいただきました。
このような活動を通し、少しでも伝統文化が広まっていくと良いと思います。これからもお寺の役割として、歴史や文化を守る活動を続けていきたいと思います。
(取材部:岡田)
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