お手紙掲示板2026年3月号

「あの世」に、目を向ける
私たちは普段、目に見える世界の中で生活しています。けれども日本の暮らしには、古くから、目には見えない「あの世」とのつながりを大切にしてきた、知恵があります。
民俗学者・折口信夫が提唱した「まれびと」という考え方は、その象徴です。異界から訪れ、人に気づきや力をもたらしていく存在であり、なまはげや獅子舞に頭を噛んでもらう風習も、その一つです。
こうした営みは、単なる形式ではありません。「目に見えない存在を迎え入れることで、日々の乱れを整え、心や暮らしを清らかにしていくための儀式でした。。
「あの世」という目に見えない世界に思いをむけることは、現実から離れることではありません。むしろ、今の生活を根底で支え、生命力を与えてくれる源泉として捉えられていました。
「この世」を見つめる目と、「あの世」を感じる目。
その二つをあわせ持つことで、心は少しずつゆるみ、整っていきます。新しい季節のはじまりに、「あの世」に目をむけてみませんか?
合掌
