お手紙掲示板2025年10月号

宛名に映る
「私」の
こころ
郵便物の宛名を見てみると、
日本の住所は「世界」から始まり、だんだんと「私」へと近づいていきます。
国、都道府県、市町村、町名、番地、そして最後に名前。大きな世界から少しずつ小さな世界へと絞り込みながら、その中にいる「私」へたどり着く書き方になっています。
一方、英語の住所はその逆。
まず個人の名前があり、そこから徐々に大きな世界へと広がっていきます。
「私」という起点から関係が広がっていく。
そこには、西洋の「個」の感覚が映っています。
現代は「個」が重要視され、自分を強く示すことが求められる時代かも知れません。
けれども、日本の宛名のように、自分を少し後ろにしてみることで、見えてくる世界もあります。
私が先にあるのではなく、無数のつながりの中で、「私」が立ち上がってくる。
そのつながりに気づくとき、見える世界は「他人ごと」から、「自分ごと」へと変わっていくのかも知れませ
合掌
