お手紙掲示板2026年7月号

夜空にひらく
祈り
夏の夜空に大輪の花火が上がると、思わず声をあげてしまいます。今では夏の楽しみの一つですが、その始まりに、意外な物語があるのをご存じでしょうか。
江戸時代、大きな飢饉と疫病で、たくさんの命が失われた年がありました。その翌年、亡くなった人々を悼み、これ以上の災いが起きないようにと祈りを込めて打ち上げられたのが、両国の花火の始まりと伝えられています。
夜空を彩るあの光は、もとは「祈り」でした。
お盆の頃には、土地ごとにさまざまな祭りや行事があります。
お地蔵さんを囲む地蔵盆、盆踊り、夜空の花火――形はそれぞれ違っても、その根っこをたどると、亡き人やご先祖を思う心に行き着くように思います。
見慣れた夏の風物詩の一つひとつに、昔の人が込めた「思う心」が、今も静かに受け継がれています。
そう気づくと、いつもの花火も、少し違って見えてきます。この夏、夜空を見上げるとき、亡き方へそっと心を寄せてみませんか。
合掌
