お手紙掲示板2026年10月号

うけてから つぐ
「受け継ぐ」という言葉があります。「おばあちゃんの料理の味を受け継ぐ」「お父さんの仕事を受け継ぐ」のように使います。
この言葉をよく見ると、二つの言葉が合わさっています。「受ける」と「継ぐ」です。順番は、いつも「受ける」が先です。受けていないものは、継ぐことができないからです。口ぐせ、笑い方、困っている人を放っておけないところ。気がついたら、もう自分の中に入っています。
みそ汁の味は、ふだん気にもとめませんが、よその家でみそ汁をいただいて「あれ、うちのと違う」と思ったとき、はじめて「うちの味」があったことに気づきます。
亡き方からもらったものも同じです。気づかないうちに、今の私をかたちづくっています。
そして「継ぐ」とは「あ、これはあの人からもらったものだ」と気づくことです。気づいたとき、届いていたものは、はじめて自分のものになります。
法事やお墓参りは、もらったものに気づき直すための時間なのかも知れません。
この秋、自分の中に、あの方からもらったものを見つけてみませんか。
合掌
