お手紙掲示板2023年6月号
心の時代
豊かに 生きる
「赦す(ゆるす)」と「罰する」は、見た目では全く反対のことのように思えますが、実は同じことを意味しています。それは、何かを終わらせるということです。私たち人間は、活動をしている限り必ずミスをするものです。そのミスを背負い続けて生きていけば、社会はとても厳しい場所になるでしょう。だから「赦す(ゆるす)」ということが大切なのです。
これは、ハンナ・アーレントさんが「人間の条件」の中でお話されていたことです。
仏教では、すべてのものや人がネットワークのような大きな「つながり」の中に存在していると考えられています。この考え方を「縁起」と言い、他人を許すことは、自分自身を許すことにつながる、と言い換えることができます。
現実には「赦す」という形で、苦しみを終わらせていくことがあります。
赦しの決断をされた方を尊重し、それを支持し背中をさすってあげる優しさが、今求められている社会のように感じています。
合掌