お手紙掲示板2024年7月号
「私」を形作る「縁起」の力
「兄と弟はどちらが先に生まれたでしょうか?」
答えは「同時」です。弟がいることで兄は兄となり、兄がいることで弟は弟となります。
私たちは一人では「私」として存在できません。これを仏教では「縁起(えんぎ)」と呼びます。私たちの存在は常に他者との関わりの中で成り立っています。親がいるから子供となり、友達がいるから友達となる。
例えば、学校では先生が生徒を教えますが、生徒がいることで先生も先生としての役割を果たします。同様に、家族や友人、同僚など周りの人々との関係が「私」を形作っています。
また、亡くなった人の存在も「縁起」の一部です。大切な人が亡くなることで、その人が自分に与えていた影響を改めて感じます。亡くなった人の存在が、「私」を形作っていたことに気づくのです。これも「縁起」の一つの形です。
相手を大切にすることは、自分を大切にすることに繋がります。自分一人で「私」とはなれず、必ず周りの誰かがいて「私」が形作られるのです。互いを尊重し支え合うことの大切さを共に感じていければ嬉しいです。
合掌
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