お手紙掲示板2024年8月号
請求の祈りと
領収の祈り
祈りには、私たちが何かを願う「求める祈り」と、すでに受け取ったものに感謝する「感謝の祈り」の二つの側面があります。
「健康でありますように」「試験に合格できますように」といった願いの祈りは、自分の願望を外に向かって発する「求める祈り」です。
一方で、「今日一日無事に過ごせて感謝します」といった祈りは、「感謝の祈り」と言えます。
ある方は「母が亡くなって初めて、毎日の食事の準備がどれほど大変だったかを実感し、生前は当たり前でしたが、今になって母の愛情を強く感じ、深く感謝しています」とお話されました。
生前は日々の食事を「当たり前のように請求」していましたが、今になってはじめて「愛情として受領」できるようになったとのことです。
私たちの生活をより豊かにするためには、「求める祈り」と「感謝の祈り」のバランスを取ることが大切です。何かを求めるだけでなく、すでに与えられているものに感謝する心を持つことで、より穏やかで豊かな人生につながっていきます。日々の中で、この二つの祈りを意識してみてはいかがでしょうか。
合掌
お盆合同法要の澤面先生の法話を受けて。