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お手紙掲示板2025年2月号

見送っているつもりでいたのに、

実は見送られていた

岡田 圭

『いのちに驚く対話』より


葬儀や看取りの場面では、「旅立つ人を送り出す側」という意識になりがちです。けれども、実際には旅立った方こそが、私たちを見守り、見送ってくれているのかもしれません。

たとえば、幼い頃の自分が写った写真を見返すと、「元気に育ってほしい」という両親のまなざしに気づきます。単に撮影されたのではなく、その優しい視線に包まれて「見守られていた」と思うとき、それは一方的な行為ではなく、互いを想い合うつながりへと変わります。

岡田さんは「私たちに何を残してくれたのか?」という問いを大切にされています。遺された写真や品々を見つめ直すことで、その中に込められた故人の想いが浮かび上がってくるのだといいます。

どんなに深い悲しみの中でも、旅立った方の想いは今も私たちの心に生き続け、力を与えてくれます。見送ると同時に見送られていると知ったとき、そこには「継続する絆」が息づき、私たちは「ひとりではない」と感じられます。

寂しさや悲しみが押し寄せてきたときは、どうかひとりで抱え込まずに、お話を聞かせてください。

合掌

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